ふすまベンチ|fusuma bench

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01俯瞰
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℗Photography by note architects
 
type         |  bench
material  | fusuma、wood
completion |  2018.6 
 

今まで多くのリノベーションの事例を見てきましたが、そこでは和風なものはかっこ悪いものと扱われることが多いように感じます。

畳はフローリングに替えられ、襖は木製建具に替わり、押し入れはデスクに転用される。

私は和風なものに否定的な印象はなく、むしろ落ち着きを感じます。畳はどこでも座ったり寝転んだりできる包容力の大きい素材だと思うし、襖絵の世界観や、和紙の質感にとても親しみを感じます。

和風は本当にかっこ悪いのか。

畳や襖が間取りの変更などで、建具として襖が不要となったとしても、何か別のものに転用することで、あの親しみのある質感を残せないかと考え、襖を半分に切断し、脚を取り付けベンチに転用してみました。

襖は精度の高い組子に、骨貼り、袋貼り、上貼りと何重にも和紙を貼り重ねることで面内面外剛性を確保し、一人で持ち上げられるほど軽量なのに、ねじれやそりに強い、とても優れた和製軽量建具です。このねじれ・そりに強い構造によって、一枚の板のように扱うことができるのではないかと考えました。

脚は木場の材木工場から出た廃材を再利用しています。襖も木材も本当なら捨てられるはずだったものです。

それは本当にかっこ悪いのか。価値がないと思われていたものも、見方を変えて本来の使われ方とは違うものに転用することで、新しい価値をつくり、素材の寿命を延ばすことができるのではないでしょうか。

長く普遍的に使われてきたものに魅力を感じています。外から新しいものをインストールするよりも、今そこにある潜在的な魅力に気づき、最大化する。そんな視点を持ちたいものです。

建築も街にとってそんな存在であればと思っています。