矛盾した話 | note architects
2020.07.03
矛盾している

店構えは、相反する要素が複雑にせめぎ合っている部分です。

例えば街との繋がり方。美容室の場合は、お客さんはカット中の姿を見られないように配慮して、街から見えない店構えにするという考え方があります。一方で、お店の様子が外から見えるようにしたい考え方もあったり。

1対1で対応するような店舗の場合、密室のようなつくりでは特に女性客は不安を感じるなど、プライバシーとセキュリティーの問題も対立しています。
オープンか、クローズか相反する要素を、お店の方の考えを伺いながらバランスを見て形を決めています。

繋がりの度合いを調整し、店構えはオープンだけど奥は見通せなかったり、カット台の向きを外から見えない方向にしたり、窓の範囲を絞ったり、繋がり方に合った最適な手法を選択します。

多くの場合オープンかクローズかという二項対立ではなく、そのどちらでもない状態に落ち着くことが多いです。繋がり方次第では、新しい店構えのアイディアが生まれたりすることもあります。

デザインに正解はないと思っています。店舗の考え方と、デザインが合っていることが大事だと思います。

写真の美容室は、お客様のプライバシーを大事に考えて、窓がほとんど無い店舗にしました。ただ完全な密室にすると、不安に感じるお客様もいるので、目線の高さにだけ小さく窓を設け、街を歩いている人からちょっとだけ覗きこめるような、店構えにしています。

ryokamamatsu

北浦和の美容室

北浦和の美容室

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