地味ですが大変重要な設計の仕事の一つに、目地割というものがあります。目地割とは、タイルやフローリング、木の板の継目=目地の位置を納まりよくする、というもの。これがきちんと計算されていないと、端っこにすごく小さな半端物ができたり、窓やドアの周りに、矩形に切り欠かれたものができたりします。
一つ一つ丁寧に仕上げの位置を決めておき、目地を綺麗に割ってあげると、仕上げ本来の美しさが活きるというか、端正な雰囲気を作ることができるのです。そのために目地のラインを窓の位置や仕上げが切り替わる部分に合わせ、時には壁の位置などを微調整して、綺麗に割っていきます。
目地割で目指すゴールは、さりげなさです。目地のラインを通せばよいというわけではないのです。目地が通り過ぎていると、逆に不自然になり気持ち悪く感じる場合もあります。たとえ端の仕上げを切らないといけないとしても、中央から割っていったり、目立つ方の側から割っていくなど。
どこを大事にして、どこを犠牲にするかの判断に目地割りのセンスが表れるところです。
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