広い家の話 | note architects
2020.08.02
広い家について考える

広い家に住むか、広々とした家に住むか。同じような言葉ですが、2つの家はちょっとした違いがあります。

建築家はよく物理的な広さ、精神的な広さという視点で話をします。今回は全体か部分かという視点で見てみます。

広い家は、家全体の広さを表す言葉。100 ㎡よりも 150 ㎡のほうが広いですね、ということ。家の広さは価格に直結するので、手を出すのには慎重になると思います。

広々とした家は、部分の広さを表す言葉キッチンの幅は 180cm よりも、240cm の方が広々と料理ができますね。

私は広い家よりも、広々とした家の方がストレスなく過ごせると考えています。
身体的に広い方が快適に過ごせる。狭い家で真直ぐ歩けなかったり、ぶつからないように屈んだりよけたりするのは、ストレスというほどではないですが、身体は相当な不快感を感じていると思います。

平成の時代は、部屋の数は多いほうがよいと考えられていたので、部分がどんどん狭くなっていきました。今では部屋は少なく広々と、という価値観で家を造られる方が増えています。同じ 100 ㎡でも 3LDK よりも 1LK というように。
広々とした部屋に多様な過ごし方が混在している、そんなイメージです

価値観で家の造りは変わっていきます。固定観念を持たず、新しく生まれてくる潜在的な価値観に敏感になりたいです。

ryokamamatsu

>写真の建物はこちら「塩浜のリノベーション」