都市を望む家 | note architects - 清澄白河 門前仲町

都市を望む家

℗Photography by Kenta Hasegawa

都心の眺望のよい環境にある住宅の改修計画

天井が高くとれない条件からも、住戸からはみ出し、どこまでも水平に伸びる住空間がイメージされた。それは都市にいながら、窪みに身を潜め遠くを眺める、明るい洞窟のように思えた。

穴的に住空間を設えた。
まず、友人と集まれる広いリビングを北側にまとめた。天井はリズムよく上下するように配管を整理し、微細な粒子の左官で仕上げた。床はフローリング簾貼りとし、床としての純度を高めている。おおらかな天井と床に挟まれ、景色が水平に展開する。
窓が取れない住戸奥のバスルームからも、クローゼット、寝室を経由した先に景色が見えるようにしている。夕陽が沈むのを眺めながら湯に浸かる、この家の特等席である。

建具を最小限に抑えたことで、全体がゆるゆるとつながり、シームレスにシーンが続いていく。玄関ホールからは、柔らかい曲線でまとめたトンネルをくぐり、アプローチする。また、シーンの突き当たりには、アイストップとなるアートワークを置いた。

住戸を横に引き伸ばすことで都市まで拡大し、内外の境界が曖昧な周辺環境と同期する住戸とした。
日の出と共に目覚め、日暮と共に眠りにつく。自然に近い人間らしい暮らしの場として再生した。

 

type house
location Koto-ku Tokyo
completion 2024.12
construction 野村産興株式会社 関康久
lamp shade 飛松灯器
Japanese paper 株式会社森木ペーパー
furnitur 有限会社 坪原木工
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